※3月13日午前11時(シリア時間)から過去24時間の動きを反映
東グータ地域、イドリブ県、ハマ県北部の状況
イドリブ県、ハマ県北部の状況
まとめ:
- 露/シリア政府軍は、イドリブ県中部、ハマ県北部の7件の空爆を行った。この攻撃により、民間人が犠牲となった。
- 親政府武装組織は、イドリブ県東部カフルナハ市に対し、砲撃による攻撃を行った。
- 過去24時間、ハマ県北部とイドリブ県東部の前線では、政府軍による砲撃があったものの、政府軍と反政府勢力間の地上戦は発生していない。
- 反政府勢力の一派(スクール・アル・シャム)は、元ヌスラ戦線(HTS)との戦闘に備え、イドリブ県北部に戦闘員を集結させている。
- イドリブ市周辺で、イスラム国関連組織(ジュンドル・アクサ)がアンサール・アル・タウィッドに組織名を変え、勢力を拡大させているとの報道がある。12日、同勢力は、”包囲”地域であるフォアとカフラヤ地域に対し砲撃を実施。
※同勢力とHTSの存在は、イドリブ県が安定しない要因であるため、両勢力の今後の動き次第で、イドリブ県の治安状況が悪化する可能性がある。 - イドリブ県南部で、元ヌスラ戦線(HTS)と反政府勢力間(JTS)間の衝突が発生した。
東グータ地域の状況
まとめ:
- 過去24時間、露/シリア政府軍は、東グータの全地域で大規模な軍事作戦を継続した。
- 政府軍は、全域で市街地に対する砲撃・空爆・地上戦を続けており、壊滅的な被害を与える。同時に、無差別的な攻撃により、引き続き、多くの民間人が犠牲となっている。
- 11日、南部ジスリーンに設置されている”人道的回廊”から85名の住民が域外へ退避した模様。主にミスラバ市の住民とのこと。ミスラバ市では、反政府勢力と政府間で、同市の降伏と戦闘員の退避について交渉があった。
- 12日、東グータが3地域に分断された後、3つ目の”人道的回廊”がハラスタ地区に設置された。住民の避難のための検問所である。これまでのところ、パキスタン国籍の住民2名以外、誰もこの検問所から避難していない。
- 12日、反政府勢力(ジェイシュアルイスラム)は声明を発表。同声明では、国連と露政府との交渉で、首都ダマスカスでの治療のため負傷者の退避を要求しているとした。
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- 露政府系メディアは、「反政府勢力が支配していた場所で化学兵器工場が見つかった。シリア政府の化学兵器使用を(偽造し)非難する目的で、この工場が使われたのだろう」とした。化学兵器が製造されていたと結論づけた根拠や写真は示されていない。
- シリア政府系メディア(SANA):反政府勢力は、首都ダマスカス市街地を砲撃し4名が死亡、6名が負傷したと報道。
- 露政府系メディア(RT):「東グータ地域での軍事作戦は、安保理決議2401に違反していない。なぜなら、同決議は”テロリスト”との戦いを(続けることを)許可しているからだ。」と報道。
※安保理決議が採択される前から用意されていた欺瞞の理由付け。国連・関係国(そして私達)は想定したシナリオだが、この虐殺を止めることができていない。
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