※5月10日15時（シリア現地時間）から過去24時間の動きを反映
ダマスカス南部、イドリブ県、ハマ県北部、アフリン地域の状況
イドリブ県、ハマ県北部の状況
まとめ：
- 過去24時間、露/シリア軍はイドリブ県南部・ハマ県北部に対し砲撃と空爆による攻撃を実施。地上戦は行なわれておらず前線に動きはない。イドリブ県南部カンシェクンへの砲撃では、民間人複数名が負傷したとの情報がある。
- 5月9日、イドリブ県南部マアルジータでは、露軍による空爆により民間人9名（子ども4名を含む）が亡くなった。モハマッド・アブドゥル・カリムさんの家族が避難していた洞窟が爆撃され、家族ほぼ全員が犠牲になっている。（参考）
- 5月10日、トルコ軍視察団の車列がイドリブ入りし、ハマ県北西部（カルカット地域）に到着。新たな監視所を設置する予定。 トルコ軍車輌がカラアト・アル・ムディク付近を通過する際、簡易爆発物（IED）が爆発し、トルコ軍兵士7名が負傷したとの報道がある。（参考）
地図：イドリブ県、ハマ県北部、アレッポ県西部（2018年1月末時点）
Derived from work by MrPenguin20, distributed under a CC BY-SA 4.0 license.
ダマスカス南部の状況
まとめ：
- 米政府系メディア：5月9日、シリア軍はドゥマ地区で複数の民間人を拘束した。拘束されたのは、若い男性で徴兵目的と報じられている。反政府勢力が撤退する条件として、徴兵は行なわないことで合意していたが、それを無視したことになる。（参考）
※シリアでの兵役制度は強制兵役。シリア紛争が始まってから、シリア政府は従軍させることを目的とした拘束を続けている。また、新たに法令を制定し、義務徴兵制を終えた民間人を予備兵として召集することができるように制度を改定している。（参考）
この制度の存在は、シリア紛争が始まってから、多くの若者が国外に逃げる要因となっている。
- 首都ダマスカス南部のヤルモック（イスラム国：ISIS支配）では、シリア軍が軍事侵攻を継続。域内に対する空爆とミサイル攻撃が続いている。（参考）
- 5月10日、イスラム国（ISIS）は、首都ダマスカス市中心部（カザズ、ダフ・ショク、ザハラ地区）に対し、砲撃による攻撃を行った。砲弾は、商業ビルを直撃した模様。ISISによるダマスカスへの攻撃は、昨日に続き、2日連続。現時点で、負傷者に関する情報は報じられていない。（参考）
- 5月14ー15日の二日間、第9回シリア和平協議が開催される。開催場所は、カザフスタンの首都アスタナ。トルコ、ロシア、イラン政府に加え、シリア政府と反政府勢が参加する。米国とヨルダンは、オブザーバーとして招待されている。（参考）
※前回のアスタナ協議では、緩衝地帯（de-escalation zone）の設置と人道問題について協議された。また、トルコ政府は、同協議でシリア国内に、12ヶ所の監視所を設置するとしている。現時点で、トルコ軍は、イドリブ県の10箇所に監視所を設置している。
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地図：東グータ地域（2014年2月27日初版作成）
Created by MrPenguin20, distributed under a CC BY-SA 3.0 license
アフリン地域の状況
- 過去24時間、アフリン地域では戦闘行為は行なわれておらず前線に動きはない。5月10日時点で、タルアフィアート地域は、クルド人民防衛隊（YPG）と親シリア政府武装勢力（NDF）が支配している。
※2018年1月20日、トルコ軍は自由シリア軍（FSA）とともにアフリン地域への軍事侵攻を開始。主にクルド人民防衛隊（YPG）と激しい戦闘を行った。2018年3月18日、トルコ軍がアフリン市を制圧した時点で、トルコ政府は、アフリン地域を完全に支配したと発表した。
3月25日、YPGと親シリア武装勢力（NDF）支配下となっているアフリン地域の一部（タルアフィアート地域）について、トルコ大統領は軍事作戦を行うと発言をしたが、これまで軍事侵攻には至っていない。
シリア人権ネットワークは、アフリン地域での戦闘による民間人被害者は、564名と発表している。（参考）
地図：アフリン地域（2018年1月21日作成）
map created by MrPenguin20, distributed under a CC BY-SA 4.0 license.
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