※5月9日15時(シリア現地時間)から過去24時間の動きを反映
東グータ地域、イドリブ県、ハマ県北部、アフリン地域の状況
イドリブ県、ハマ県北部の状況
まとめ:
- 過去24時間、露/シリア軍は、イドリブ県東部・南部に対し空爆による攻撃を実施した。イドリブ県南部ナケル村の学校に対する攻撃では、民間人1名が亡くなった。(参考)
- 5月9日、トルコ軍の車列がイドリブ入りし、イドリブ東部のラシュディーン地域に到着した。監視所を設置する目的と報じられている。これで、トルコ軍はイドリブ県内に10箇所の監視所を設置したことになる。(参考)
※シリア政府が、イドリブ県を次の標的とすることが懸念されている。トルコ政府次第と考えているが、トルコ軍がイドリブから撤退する様子は全くないため、シリア政府が軍事侵攻を行う可能性は極めて低いと考える。無差別な空爆や砲撃は、今後も続くだろう。
イドリブ県は、アレッポ、ホムス、東グータなど、包囲されてい地域に住んでいた住民が、半強制的に移住させられた場所である。戦闘員も含むが、避難者は数十万人に及ぶ。2018年5月現在、イドリブ県には250万人が住んでいると言われている。
- アレッポ北部では、ホムスとヤルモック東部からの避難者を乗せたバスが、トルコ軍が管理する検問所で止められ、入域できない状況が続いている。バスには、戦闘員と住民を含め、約4,800が乗車している。トルコ当局が入域を許可していない理由については明らかにされていない。(参考)
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東グータ地域の状況
まとめ:
- 過去24時間、首都ダマスカス南部のヤルモック(イスラム国:ISIS支配)では、シリア軍が軍事侵攻を継続。域内には激しい空爆を砲撃による攻撃が行われている。
- 5月9日、ISISは、ヤルモック内から首都ダマスカス市中心部に対し砲撃を実施。国営メディアによると、一部砲弾がダマスカス・タワーに着弾し2名が死亡。また、同日、ダマスカス市のマイサット広場で自動車爆弾が爆発し負傷者が出ている。(参考)
- 5月7日、イスラエル軍は、ダマスカス南部のイラン軍基地(キスウェ)に対し攻撃を実施。イラン人8名を含め、少なくとも15名が死亡した。イラン政府は、報復すると伝えている。(参考)
イスラエルの攻撃を受けたイラン軍基地(ダマスカス南部)の様子。(参考)
アフリン地域の状況
- 過去24時間、アフリン地域では戦闘行為は行なわれておらず前線に動きはない。5月8日時点で、タルアフィアート地域は、クルド人民防衛隊(YPG)と親シリア政府武装勢力(NDF)が支配している。
※2018年1月20日、トルコ軍は自由シリア軍(FSA)とともにアフリン地域への軍事侵攻を開始。主にクルド人民防衛隊(YPG)と激しい戦闘を行った。2018年3月18日、トルコ軍がアフリン市を制圧した時点で、トルコ政府は、アフリン地域を完全に制圧したと発表。
3月25日、トルコ大統領は、YPGと親シリア武装勢力(NDF)支配下となっているタルアフィアート地域について、軍事侵攻を行うことを示唆する発言をしたが、これまで実行していない。
シリア人権ネットワークは、アフリン地域での軍事作戦による民間人犠牲者は、564名と発表している。(参考)
- 5月10日、アフリン地域に警察官620名が配置される。警察官となるのは、トルコの警察学校にて1ヶ月間の訓練を受けた18-42歳のシリア人。(参考)
- 米軍は、マンビジで新たな軍事基地を設置した。現在、マンビジは、クルド系勢力が支配している。トルコ大統領はマンビジへの軍事作戦を行うと発言しており、トルコ軍がマンビジへ軍事侵攻を行った場合、NATO加盟国同士が対峙することになる。(参考)
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