※5月4日15時(シリア現地時間)から過去24時間の動きを反映
東グータ地域、イドリブ県、ハマ県北部、アフリン地域の状況
イドリブ県、ハマ県北部の状況
まとめ:
- 露/シリア軍は、ハマ県北部とイドリブ県南部に対し、空爆を砲撃による複数の攻撃を実施。政府軍の地上侵攻は行なわれておらず、前線に動きはない。(参考)
- 5月3日、イドリブ県南部マアラット・アンヌマンでは、元ヌスラ戦線に対する抗議デモが発生した。
- 5月3日、イドリブ県中部サラケブ近郊で、車爆弾が爆発する事件があった。同爆発で、イドリブ警察署員1名が亡くなった。主犯は不明。4月26日以降、イドリブ県では、複数の暗殺事件が発生している。(参考)
※これまでの被害者は、一部民間人も含むが、主に反政府勢力(HTSを含む)戦闘員、元政府軍高官、警察署長。待ち伏せでの銃撃に加え、道路脇に簡易爆発物(IED)を仕掛け攻撃した事例もある。
- 5月3日、イドリブ県ダナ近郊の国際NGO(IRC)事務所前で、自動車爆弾による爆発があった。この事件で、民間人4名が死亡し10名が負傷。主犯は不明。
死亡者のうち、2名はIRCの警備員スタッフだったことが分かった。IRCは、支援従事者が標的になることがあってはならないとし、この攻撃を非難した。(参考)※IRCが標的とされたのであれば、1)組織の特性、または2)現地事務所の特性、が理由である可能性が高い。後者の場合、スタッフの背景(武装組織との関連性)、活動内容の中立性、裨益者選定の公平性、ヌスラ・イスラム国関連組織との関係性など、複数の要素が考えられる。直接の標的となったのであれば、シリア北西部の支援活動に大きな影響を及ぼすことになる。
東グータ地域の状況
まとめ:
- 国連(5/1):東グータ
東グータ近郊に避難した住民は約4.4万人で、避難民キャンプで生活している。殆どの避難所では、十分な生活スペースが確保されておらず、早急に改善されるべきである。住民の自由な移動も許可されるべき。上記避難所では、人道支援の規模は徐々に拡大しているが、住民の移動制限、離散家族、親と離れて生活する子ども、身分証明を持たない住民など、プロテクション分野が大きな課題となっている。
東グータ内には約12万人の住民が残っており支援ニーズは高い。しかし、主にシリア赤新月社(SARC)による支援しか行なわれておらず、十分な支援が提供されていない。
約15.8万人が、東グータかイドリブ県へ避難した
約12万人が、東グータ内に残っている
(参考) - 国連(5/3):シリア全土
シリアでは、過去12ヶ月で、約146万人が住む場所を失った。イドリブ県が一番多く(約40万人)、ハマ県(約25万人)、ディルゾル県(約25万人)と続く。現在、包囲地域に住む人口は、約200万人となった。2018年1月時点での人口は、290万人。(参考)
- シリア人権監視団:
5月3日、シリアでは民間人9名(子ども1名、女性2名を含む)が死亡した。
– シリア政府の攻撃により、子ども1名が死亡
– クルド系勢力の攻撃により、民間人2名が死亡
– その他:民間人6名
(参考)
******
アフリン地域の状況
- 5月3日、アフリン地域で簡易爆発物(IED)が爆発する事件があり、トルコ軍兵士1名が亡くなった。主犯と具体的な場所は明らかになっていない。トルコ軍が軍事作戦を掃討作戦を実施中に起きた事件であることから、同軍を標的とした攻撃であった可能性が高い。(参考)
その他、アフリン地域では、大きな衝突は発生していない。 - シリア北部へ撤退した政治団体代表モハマッド・アロウシュが、辞任した。同組織は、反政府勢力(ジェイシュ・アル・イスラム)の政治団体として活動している。(参考)
******
スポンサーリンク:
1日あたり150円の支援で途上国の子供たちに希望を