シリアでの病院への攻撃とその理由 (1)

2017年末頃から、シリアでは病院が空爆の標的となり、甚大な被害を受けていることが報道されています。

政府軍と反政府勢力が戦っているのであれば、反政府勢力へ攻撃すれば良いのでは?と思われる方も多いと思います。

しかし、シリア紛争では、これまで頻繁に病院を含む医療施設が標的とされてきました。
その他にも、学校や市場など一般市民が利用する場所も空爆の対象となっています。

なぜか?
本日は、この疑問について、具体的な数字とともにお伝えしたいと思います。

シリアでは、どれぐらいの病院が被害に遭っているのか?

1年間で病院が攻撃を受けた件数は、207件と言われています。

これは、世界保健機構(WHO)が発表している数字で、2016年1月1日から12月31日までに発生した事件数です。

同じ期間で、世界の病院が攻撃を受けた全件数は302件ですので、シリアでの病院への攻撃件数が突出していることがわかります。

また、HHRの報告書では、過去6年間で454件の医療施設が攻撃を受けおり、その攻撃によって446施設が医療サービスを提供できなくなっているとしています。

最近の被害状況はというと、
過去10日間(2017年12月27日から2018年1月5日)で、少なくとも10の医療施設が、空爆または大砲による攻撃を受けています。

医療施設は、産科小児科病院などを含む10施設で、この攻撃により、少なくとも30名の一般市民が亡くなったとされています。

被害を受けた病院は、イドリブ県、ハマ県、東グータ地域にあり、全て反政府勢力の支配地域にあります。

それでは、シリア政府は一般市民が犠牲になることが分かっていて、なぜ医療施設への攻撃を行うのでしょうか?

なぜ、病院を攻撃するのか?

医療施設は重要なインフラの一部であるため、医療施設を破壊することで、反政府勢力へ脅威を与えたいという意図があります。

ただ、この脅威は、反政府勢力だけに向けられたものではなく、その地域に住む一般市民にも向けられています。

これは、シリア紛争が始まってから、医療施設のみではなく、一般市民が利用する場所(学校や市場など)が攻撃の対象となってきたことからもわかります。

ただし、シリア政府やロシア軍は、病院への攻撃も含め、一般市民を標的とした攻撃の実施について否定しています。

しかしながら、医療支援を行う支援団体からの報告では、医療施設が攻撃を受けており、医療従事者や患者が犠牲となっていることが明らかになっています。

私の知り合いの医師も、2016年12月、アレッポ市の病院で働いていたところ、迫撃砲による攻撃で施設が破壊され亡くなりました。

報道されている病院への攻撃件数が誇張されているのではという疑いから、全て虚偽であるという発想をする方もいますが、医療施設への攻撃は実際に行われています。

長くなってしまったため、今日のブログはここまでとします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

次回のブログでも、このトピックについてお伝えします。

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参考資料:
Attacks on Health Care Dashboard, Reporting period: 1 January to 31 December 2016 (WHO, 2017)

Hospital Bombings Destroy Syria’s Health System (HHR, 2017.5.11)

Syria war: Hospitals being targeted, aid workers say (BBC, 2018.1.6)

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