ダマスカス南部、イドリブ県、ハマ県北部、アフリン地域の状況(5月19日時点)

※5月19日15時(シリア現地時間)から過去24時間の動きを反映
ダマスカス南部、イドリブ県、ハマ県北部、アフリン地域の状況

イドリブ県、ハマ県北部の状況

まとめ:

  • 露/シリア軍は、ハマ県北部・イドリブ県西部に対し、空爆と砲撃による攻撃を実施。この攻撃で、民間人に死傷者が出ている。(参考
  • 5月19日、イドリブ市では、HTS(元ヌスラ戦線で構成)は、イドリブ県での暗殺と爆破事件に関わったとして4名を処刑した。昨日、アレッポ市西部で、男性1名が処刑されており、2日間で計5名がHTSにより処刑されたことになる。公開処刑として、イドリブ市サアア地域で処刑が実行された。(参考
  • 5月19日、イドリブ県ダナ市近郊では、簡易爆発物が爆発する事件が発生。主犯は不明。この爆発による死傷者は出ていないが、周辺の建物が損壊した。(参考
  • ******

  • 米国政府は、シリア北西部からの支援を取りやめることを決定した(CBS)。シリア北西部での支援は、長期的な効果が期待できないことと、過激派の存在などを取りやめの理由として挙げている。(参考

    ※シリア北西部とは、イドリブ県、ハマ県北部、ラタキヤ東部の反政府勢力の支配地域を指す。

    i) 米大統領が、米軍の撤退を示唆したことによる方針転換、ii)シリア北西部でのトルコの影響力の拡大、iii)長期的な支援金拠出の回避、が取りやめの理由と考える。この動きに伴い、欧州の負担が増えることになる。

    これまで、米政府は、HTS(元ヌスラ戦線で構成)が存在している中、資金拠出を続けてきたことから、過激派の存在を理由として資金拠出を取りやめるというのは、妥当と思わない。

地図:イドリブ県、ハマ県北部、アレッポ県西部(2018年1月末時点)
Derived from work by MrPenguin20, distributed under a CC BY-SA 4.0 license.

ダマスカス南部の状況

まとめ:

  • 過去24時間、ダマスカス南部の包囲地域(ヤルモック:ISIS支配)では、政府軍による軍事侵攻が継続。政府軍が優位に戦闘を進めている。戦闘により、民間人5名(子ども2名、女性1名含む)が死亡。住民の多くはパレスチナ難民。(参考

    ※国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によると、2018年2月時点で、ヤルモック・キャンプには、約6,200人のパレスチナ難民が住んでいる。また、シリア全土では、約5万人のパレスチナ難民が政府軍に包囲された地域に住んでいる。(参考

地図:東グータ地域(2014年2月27日初版作成)
Created by MrPenguin20, distributed under a CC BY-SA 3.0 license

アフリン地域の状況

  • 過去24時間、アフリン地域では戦闘行為は行なわれておらず前線に動きはない。5月18日時点で、タルアフィアート地域は、クルド人民防衛隊(YPG)と親シリア政府武装勢力(NDF)が支配している。

    ※2018年1月20日、トルコ軍は自由シリア軍(FSA)とともにアフリン地域への軍事侵攻を開始。主にクルド人民防衛隊(YPG)と激しい戦闘を行った。2018年3月18日、トルコ軍がアフリン市を制圧した時点で、トルコ政府は、アフリン地域を完全に制圧したと発表した。

    3月25日、YPGと親シリア武装勢力(NDF)支配下となっているアフリン地域の一部(タルアフィアート地域)について、トルコ大統領は軍事侵攻を行うとの発言をしたが、これまで軍事作戦は実施されていない。

    シリア人権ネットワークは、アフリン地域での戦闘では民間人564名が亡くなったと発表している。(参考

  • クルド系メディア:米政府広報担当官は、今後のマンビジについて、トルコ政府との間で合意があるとの報道を否定した。5月17日、トルコ外相は、米国政府とマンビジについて仮の合意に至ったと発言していた。(参考

地図:アフリン地域(2018年1月21日作成)
map created by MrPenguin20, distributed under a CC BY-SA 4.0 license.

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