※4月5日15時(シリア現地時間)から過去24時間の動きを反映
東グータ地域、イドリブ県、ハマ県北部の状況
イドリブ県、ハマ県北部の状況
まとめ:
- 露/シリア政府軍は、イドリブ県中部ジシュル・アシュシュグル市近郊で空爆を行い、民間人4名が死亡した。
- 過去24時間、反政府勢力(JTS)と元ヌスラ戦線(HTS)間の衝突は起きていない。
- 国連シリア顧問は、シリア北部イドリブ県は約150万人の国内避難民を受け入れており、世界最大規模の避難場所となっているとした。また、イドリブ県を、ホムス・ラッカ・東グータと同様に悲惨な紛争地帯にすることは出来ないとし、露/政府軍による避難者が密集するイドリブ県への攻撃を牽制した。(参考)
- 米軍は、シリア北部マンビジ周辺の2ヶ所に米軍基地を設置するため、建設資材や重機の搬入を開始した。この2ヶ所は、現在クルド系勢力が支配しており、トルコ軍/FSAが支配する地域との前線に位置している。シリア北部へ侵攻しようするトルコ政府を牽制する目的の模様。米軍は、「有志連合」という名目で動いている。(参考)
- トルコ副首相は、「アフリンと同様に、タルリファート地域からクルド人民防衛隊(YPG)を一掃する」と発言し、タルリファート地域へ侵攻する意思を示した。現在、タルリファート地域は、YPGと親シリア政府武装組織(NDF)支配下にある。(参考)
東グータ地域の状況
まとめ:
- 過去24時間、東グータ地域住民の退避が続いている。
- 過去24時間、ドゥマ地区への攻撃は行なわれていない。
- 4月5日、シリア北部アル・バブ地区(トルコ軍/FSA支配地域)に東グータの避難者が到着した。
- 4月4日、米政府は「シリアでのイスラム国に対する軍事任務はもうすぐ終了する」と発表したが、撤退についての具体的な日程は示さなかった。
※この発言が、米軍の撤退を意味するのか、それとも、対イスラム国とは”別の”任務で駐留し続けるのかは明らかにされていない。(参考) - 4月4日、トルコの首都アンカラで3カ国首脳会談が行なわれ、シリアの和平プロセスについて話し合われた。会談には、イラン、ロシア、トルコの首脳が参加し、シリアの再建に協力していくことを約束した。また、同三国は、各国軍が駐留する状況で(シリアの)”領土的一体性”を維持していくことを確約した。米政府はシリアからの撤退を示唆しているが、「”イスラム国から(の攻撃)から守るため”に地元の部隊(クルド系勢力)の訓練する可能性がある」としている。
今後も、イスラム国との戦いという名目で、クルド系勢力を使い、シリアでの米軍駐留がありえることを示唆している。(参考) - ドゥマ地区では、反政府勢力により拘束されていた捕虜13名が解放された。反政府勢力(ジェイシュ・アルイスラム)と露政府間の合意条件に基づく措置で、アドラ地区付近で拉致された捕虜が解放されたことになる。同勢力は、計3,500名を拘束しているとの報道もある。(参考)
- 4月4日、国連シリア顧問(ジャン・エゲランド)は、露・シリア政府に対し、東グータ地域ドゥマ地区への人道目的での入域を許可するように呼び掛けた。ドゥマ地区には、約8万ー15万人がいるとしている。ドゥマ地区の人道ニーズについて触れる際、エゲランド氏は「ドゥマ地区の住民は、”支援を(求めて)跪いて(懇願して)いる”」と表現した。(参考)
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