※5月16日15時(シリア現地時間)から過去24時間の動きを反映
ダマスカス南部、イドリブ県、ハマ県北部、アフリン地域の状況
イドリブ県、ハマ県北部の状況
まとめ:
- 過去24時間、露/シリア政府は、イドリブ県北西部・ハマ県北部に対し、砲撃による攻撃を実施した。(参考)
- 5月15日、露軍はアレッポ市西部の工場(レイラモン)に対し空爆を実施。この攻撃で工場施設は破壊された。政府軍が、イドリブ県への軍事侵攻の準備をしているとの情報もある。
- シリア人権ネットワーク:5月15日、イドリブ県アリハ市では、政府軍の空爆により、女の子2名(ラヤンさん、バラさん)が亡くなった。(参考)
- シリア人権ネットワーク:5月13日、ハマ県北部カイロ近郊では、政府軍の砲撃により民間人1名(サミール・ラマダン氏)が亡くなった。(参考)
- 化学兵器禁止機関(OPCW)の調査チームは、イドリブ県サラケブ市での塩素ガス使用疑惑について、「政府軍が塩素ガスを使用した」との結論を出した。2018年2月4日、政府軍がサラケブ市を爆撃した際、被害者の多くが塩素ガスによる症状を訴えていたため調査を実施。OPCWは、投下されたシリンダーの塩素ガスの含有量、目撃者の証言、環境サンプル、医療施設への搬送者数とその症状などについて検証し、塩素ガスが使用されたとの結論を出した。(参考)(参考2)
- 5月16日、トルコ軍の車列がイドリブ入りし、イドリブ県北西部の前線付近に到着した。ジシュアシュル地域アアリエラ近郊に、新たな監視所を設置する模様。(参考)
ダマスカス南部の状況
まとめ:
- 5月15日、アスタナ和平協議が終了した。次回の和平協議は、2018年7月に露のソチで開催される。反政府勢力(ファイラック・アルシャム)代表は、「露政府が自国民を殺し続けている」とし、露政府が開催国となるのであれば、参加を拒否する考えを示した。共同声明には3カ国が署名。会議に参加していた、シリア政府と反政府勢力代表者は同声明に署名しなかった。(参考)
共同声明には、シリア政府が「憲法制定委員会」の設置を進めるという項目が含まれている。シリア政府代表団は、「テロ」との戦いと、より多くの地域を「解放」するため、反政府勢力支配地域に対し、攻撃を続ける考えを示した。(参考)
※3カ国(イラン、トルコ、露政府)によるシリア和平協議は、2017年1月から継続的に行なわれている。
アフリン地域の状況
- 過去24時間、アフリン地域では戦闘行為は行なわれておらず前線に動きはない。5月13日時点で、タルアフィアート地域は、クルド人民防衛隊(YPG)と親シリア政府武装勢力(NDF)が支配している。
※2018年1月20日、トルコ軍は自由シリア軍(FSA)とともにアフリン地域への軍事侵攻を開始。主にクルド人民防衛隊(YPG)と激しい戦闘を行った。2018年3月18日、トルコ軍がアフリン市を制圧した時点で、トルコ政府は、アフリン地域を完全に支配したと発表した。3月25日、YPGと親シリア武装勢力(NDF)支配下となっているアフリン地域の一部(タルアフィアート地域)について、トルコ大統領は軍事侵攻を行うとの発言をしたが、これまで軍事作戦は実施されていない。
シリア人権ネットワークは、アフリン地域での戦闘による民間人被害者は、564名と発表している。(参考)
- 6月4日、米国務長官とトルコ外相が会談する。主に、シリア北部マンビジの統治について協議される模様。トルコ政府は、米国政府によるクルド系勢力支援を批判しており、マンビジへの軍事侵攻の可能性を示唆している。また、トルコ大統領は、米政府がイスラエルのエルサレムを首都として認め、米国大使館を移転したことについて非難している。(参考)
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