※5月8日15時(シリア現地時間)から過去24時間の動きを反映
東グータ地域、イドリブ県、ハマ県北部、アフリン地域の状況
イドリブ県、ハマ県北部の状況
まとめ:
- 過去24時間、露/シリア軍は、ハマ県北部とイドリブ県南部に対し、空爆と砲撃により攻撃を実施した。この攻撃による負傷者数は明らかになっていない。ハマ県北部での攻撃では、再度、焼夷弾を使用した模様。(参考)
- 5月8日、マアラット・ミスリーンで簡易爆発物(IED)が爆発する事件があり、民間人1名が死亡した。主犯は不明。(参考)
- 5月7日、イドリブ県中部でHTS(主に元ヌスラ戦線戦闘員で構成される武装勢力)の戦闘員2名が暗殺される事件が起きた。主犯は不明。(参考)
※イドリブ県では、4月26日以降、何者かによる暗殺事件が続いている。 これまでの被害者は、主に反政府勢力(HTSを含む)戦闘員、元政府軍高官、警察関係者。ただし、武装勢力とは関係のない民間人も攻撃対象となっている。現在も、主犯は不明。攻撃方法としては、待ち伏せでの襲撃に加え、道路脇に簡易爆発物(IED)を仕掛けての攻撃が多い。これまで暗殺されたのは30名以上。
- 5月7日、ホムス県の包囲地域からの避難者を乗せたバスが、イドリブ県とアレッポ県北部(ジャラブルス)へ到着した。戦闘員とその家族800名がシリア北部へ移動した。ホムスからの退避手続きは、今後1週間ほど続くと見込まれている。(参考)
※焼夷弾は、焼夷剤を装填した爆弾。焼夷剤を燃焼させることで、攻撃対象物・地域を火災に追い込むように設計されている。シリア政府は、東グータ地域への攻撃の際も含め、過去の攻撃で何度も焼夷弾を使用している。(参考)
東グータ地域の状況
まとめ:
- 過去24時間、東グータ関連で大きな動きはない。
- シリア人権ネットワーク:
・シリア政府は、2018年に入り、樽爆弾による攻撃を2,318回行った
・シリア政府は、2018年4月中、樽爆弾による攻撃を761回行った
・4月の樽爆弾による攻撃で、民間人59名(子ども16名、女性22名を含む)が死亡した
(参考)※樽爆弾は、爆薬と金属片を詰め込むことで殺傷能力を高めた爆弾。定めた標的に命中する精度が低い。シリア軍は、民間人を含めて危害を与えることを目的とし、主に人口密集地への無差別攻撃に樽爆弾を使用している。(参考)
樽爆弾の使用及び無差別攻撃について、2014年2月に安保理決議2139を全会一致で議決し、使用を止めることで合意している。同決議では、1)民間人への攻撃、2)兵器の無差別使用、3)人口密集地への砲撃や樽爆弾などによる空爆、を停止するとしている。然しながら、この決議が採択されてからも、シリア政府は、樽爆弾を使用し続けている。
アフリン地域の状況
- 過去24時間、アフリン地域では戦闘行為は行なわれておらず前線に動きはない。5月8日時点で、タルアフィアート地域は、クルド人民防衛隊(YPG)と親シリア政府武装勢力(NDF)が支配している。
- 5月6日、 シリア北部アル・バブ市にて、反政府勢力(アハラール・シャルキヤ旅団)と武装したアル・ワキ一族との間で激しい銃撃戦が行なわれ、少なくとも民間人7名が負傷した。この事件を受け、アル・バブ市の地域評議会は声明を出し、アハラール・シャルキヤ旅団による攻撃を非難した。(参考)
※アハラール・シャルキヤ旅団は、反政府勢力の一派として、トルコ軍とともにアフリン地域の軍事作戦に参戦した組織。同旅団は、今年3月25日にも、アフリン市でハムザ旅団と衝突し、ハムザ旅団の戦闘員300人以上を一時拘束した。同日、トルコ軍の仲介で休戦合意が結ばれた。(参考)
- 5月8日、ヤルモック東部(反政府勢力支配)からの避難者を乗せたバス(第5陣)が、シリア北部アル・バブ市に到着した。48台のバスで、戦闘員と住民1369名が避難した。(参考)
※5月4日から、ヤルモック東部からシリア北部への避難が始まり、これまで8千人以上が避難した。シリア政府と反政府勢力間の合意では、17,000人がシリア北部へ避難することになっている。
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