東グータ地域で活動する支援団体

出来たてのパンを手にする子どもたち。シリアにあるパン屋さんへの支援事業。
Photo credit: People in Need

これまで、東グータ地域の状況と、そこに取り残された人々の支援ニーズについてお伝えしてきました。

「東グータ地域」とは、シリアの首都ダマスカスの郊外にあり、政府軍により”包囲”(兵糧攻めに)されているため、食料や燃料も含め、生きるために必要な物資が手に入りません。

「東グータ地域」は、和平協議で安全地帯(de-escalation zone)に指定され、攻撃対象としないことで合意がされました。

しかし、ロシア・シリア政府軍は、「東グータ地域」に対し無差別攻撃を継続しており、多くの一般市民が亡くなっています。

同地域にある病院や学校も、政府軍から意図的な攻撃を受けています。


「East Ghouta」という文字にカーソルを合わせると、「東グータ地域」の範囲が表示されます。

過去の関連記事については、以下からご覧ください。

東グータ地域の概要:

東グータ地域内に住む人々の置かれた状況:

東グータ地域へは、国連でさえ過去数ヶ月アクセスすることができていません。

そのような環境の中、東グータ地域で支援活動を続けるNGOがいます。

今回は、地域内で活動する支援団体と、その活動内容について、お伝えしたいと思います。

東グータ地域で活動する支援団体

ここでご紹介する支援団体は、地域内でスタッフが直接支援サービスを届けている団体のみです。

欧米系NGOのように、パートナーと組んでの間接的な支援を行う団体は含めていません。

また、安全管理の観点から、東グータ地域内で活動していることを公にしていない団体も多く、情報を集めるのに苦労しました。

今回は、地域内で医療支援を行う団体をご紹介しますが、この他にも、他分野で活動する団体がいることについてご理解の上、お読みください。

また、本記事は、紹介している団体の支援の質については担保していません。

SAMS (Syrian American Medical Society) 

本部はアメリカにありますが、在外シリア人により設立されたディヤスポラ系のNGOです。

シリア全土で、100以上の医療施設を運用しており、シリア紛争開始直後から医療支援を提供してきています。支援規模も大きく、知名度が高い団体です。

アドボカシー活動も活発に行っているので、メディアでも見かける機会が多いと思います。

東グータ地域にも医療施設を持ち、医療サービスを提供しています。

地域内のみの数字は公表していませんが、東グータのあるダマスカス郊外県では、22の医療施設を運用し、これまでに352,662人へ医療サービスを提供しています。

こちらのウェブサイトから、寄付ができます。
クレジットカードも使えます。

「Designation」という項目で、「East Ghouta」を選ぶと東グータ地域での活動を指定して寄付をすることができます。

UOSSM International 

ウォッサムと読みます。

2012年に設立された団体で、医療支援を行うシリア系のNGOです。
SAMSと同じく、在外シリア人により設立されたディアスポラ系と呼ばれる団体です。

この団体も、アドボカシー活動を活発に行っているため、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

東グータ地域では、主に一次医療を提供する医療施設を運営しています。

また、戦闘により損傷した医療施設の修復や再建を通して、継続した医療サービスの提供できる環境を作っています。

UOSSMへは、こちらのウェブサイトから寄付ができます。クレジットカードも使えます。

ただ、指定寄付のオプションがないため、東グータ地域支援として指定した寄付はできないようです。

MSF(Médecins Sans Frontières)

国境なき医師団(MSF)は、民間で非営利の医療・人道援助団体です。独立・中立・公平な立場で、紛争地や自然災害の被災地、貧困地域などで危機に瀕した人びとに緊急医療援助を届けています。1999年にノーベル平和賞を受賞しました。

日本では、「国境なき医師団」と呼ばれている団体です。

紛争下での医療サービスの提供を得意とする団体です。

シリア国内の支援活動も、シリア紛争が始まった2011年から実施してきており、シリア全土で医療施設の運営と、医療用品の供給も含めたサポートを行っています。

東グータ地域では、医療施設は運営していませんが、野戦病院や診療所に対し医薬品や医療機器の提供等を行っています。

こちらのウェブサイト(日本語)から寄付をすることが出来ます。クレジットカードも利用できます。

「支援対象」という項目で、「シリア緊急援助」を選ぶと、シリア国内での支援活動への寄付をすることができます。

東グータ地域での活動のみへの指定寄付はできないようです。

最後に 

上記の他にも、多くの支援団体が、食料や教育支援などの分野で活動しています。

今後も、情報が纏まり次第、このブログでご紹介していきます。

東グータ地域では、医療施設は空爆やミサイル攻撃の標的となっています。

その医療施設で、医療従事者として働くことは、命の危険が伴います。

また、支援団体のスタッフも、”包囲”された地域に取り残された人であること、そして、身の危険を理解した上で、医療サービスを提供している、ということは忘れてはいけません。

心より尊敬します。

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